No.38 小垂 優 |
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「北欧の椅子」
北欧の椅子は居心地がいい。そう思う。
今日23日まで、京都駅近くの学芸出版社にて「北欧の椅子―構造とくつろぎ展」なるものが開かれていた。京都新聞などにも掲載されていたので、他にも知ってる人やはたまた行ってみた人がいるかもしれない。
私は「北欧かぶれ」とまではいかないが、少なくとも「北欧にかぶれたい」と思っている1人である。それに入場無料・実際に座ってみることが出来る!という条件がつけば、とにもかくにも、もう行くしかなかった。
北欧の椅子は、世界的にも「座り心地がいい」と評価が高い。 しかし、「座り心地」と聞くと、どうも「身体にフィットする、なじむ」イメージが先行してしまう。近頃流行りのパウダービーズのクッションや,テンピュールの寝具みたいに。
北欧の椅子はそうじゃない。大きくて、質実剛健。ちっともやわらかくない木の椅子だってざらにある。だから、座り心地がいいとは一概には言えない。だけど、居心地がいい。
大きくて、肘掛けがどっしりしている椅子。座れば、「椅子は個室だわ」と感じてしまった。立派な肘掛けによって自分のスペースが確保できた気分になるのだ。 また、座面が大きいため、くるくる体勢が変えられて長い時間でも座っていることができる。他にたくさん人がいなければ、居眠りしたり、本を読んだりしたいほどだった。
もちろん、全ての椅子が大きくて、肘掛けがあるわけじゃない。肘掛けのないものもあれば、椅子自体小さいものも中にはある。身体にフィットするように作られているものも。 それでも、「座り心地」の良さではなく「居心地」の良さを教えてくれた椅子たちは私にとって強烈な存在だった。
北欧は寒い地域なので、1日のほとんどを家の中で過ごす。そのため「家の中を楽しく、快適に」という意識が高く、インテリアデザインが発展したのだと何かの本で読んだことがある。そんなことを帰りしなにふわりと思い出した。
写真は1950年代にデンマークの家具デザイナー、フィン・ユールによってデザインされ、ニールス・ヴォッダー社から発表された「No.53 イージーチェアー」…ならよかったのだが、展示会を主催していたデザイン会社がそれを復刻させたもの。
本物は会場が撮影禁止だったため、写真に撮れなかった、残念。
06/04/24 0:04
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