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[2004年5月のPick Up]

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   藤本 高仝(Fujimoto kouzen)

 
 

work: 法輪寺副住職
hobby: テニス
address: 京都府京都市西京区嵐山虚空蔵山町68−3
tel: 075-861-0069
site:http://www2.ocn.ne.jp/~horinji/
京都よ!
景観の保存より、時代の最先端をすすめ!


やってまいりましたPICK UP第3弾!渡月橋より約1分南下した場所に立地する法輪寺。 今月はその副住職さんを取材します。さて皆さん「お寺」と聞いてどんなイメージを思い浮かべますか? 僕のイメージは「急速に変化する現代社会の中でひっそりと緩やかに時を刻む空間」といったところです 。果たして僕のイメージは・・・はたまた、あなたのイメージは正しいのか?普段聞けないお坊さんの一面 をLET'S PICK UP!!

法輪寺といえばやはり十三参りが有名ですよね。渡月橋で振り返ってはならないって、ホントそれともウソ? まずはそんな疑問から紐解いていきましょう!

山門をくぐれば穏やかなの日の光に輝く木々がやさしく迎えてくれます。

十三参りでは渡月橋で振り返ってはならないと聞きますが・・・?

それは本当です。十三参りは大人になるための儀式なので子供時代、 すなわち親に甘えて過ごしてもいい時代を振り返ってはならないという意味で、 そのような約束事ができたと言われています。一人前の大人になるのは厳しいことなので、 大人になるという自覚を促すためにこの習慣ができたのでしょうね。また、この説とは違う 言い伝えもあります。

お堂の隣の藤本さんのご自宅でお話をお聞きしました。法輪寺に着く前はお寺ということで、畳に正座してお話を聞くとばかり想像していましたが、綺麗なテーブルのある広間に通されました。(笑)

十三参りに関して他に面白いエピソードはありますか?

そうですね〜。何事も世の中というのはアレンジしていくもので、今は言わなくなりましたが 「渡月橋でデートした(振り返った)カップルは別れる」なんて言われていました。テレビの 取材クルーが本当かどうかを確かめにも来ましたね。(笑)もちろんこのジンクスは嘘ですけど

法輪寺には電電宮というお社がありますが、電気という科学的なものを取り扱っている人が電電宮という宗教的なものを崇敬されているのはどうしてなんでしょうか?

最先端で研究されている方々は、必ず結果が出るとは限らない人知を超えたところにアタックしてますよね。 彼らは科学で説明できないものがたくさんあるということをよくわかっていて、 科学が万能だなんて思っていないんです。未知の領域を解明しようとしている人たちは、逆に神様くらいにしか 頼むものがないからではないでしょうか。

落ち着いたものごしで淡々と話される藤本さん。話に聞き入ってしまいました。 

今後の京都はどのようになって欲しいですか?

観光客などの京都の外部の人は「美しい京都を残すべきだ」などといいますよね。 けど京都に住んでいる人が生活していくには毎日着物を着て歩くわけにもいかないし、 車に乗らなければ仕事が成立しない人だっています。エアコンの室外機が町家に似つかわしくないから といってエアコンを禁止するわけにはいかないでしょう。「京都には古の風景や風情があるのがいいんだ」 という発想はつい最近のことで、かつての京都は都がある先進的なところであり、明治に入っても、 琵琶湖疎水をつくるなど最新の技術や文化がある日本で一番すすんでいるところだったんです。 そういうわけで、今後京都は古都の保存という方向ではなく最先端の文化を持った都市として進んでいくべきだと思います。

住職さんがそのような視点で捉えているのは驚きました!

今は中身を出さなきゃいけない時代なんですよ。かつての京都の作法は現代社会にあわない。 形だけを残そうとしても実生活に残っていないものは、きちんとした形で残らない。 形だけを残しても仕方ないんですよ。

平安時代、天慶年間の法輪寺が描かれた絵。
絵の端の方に小さく空也上人の姿が描かれているのが粋でした。

社会に対して何か言いたいことはありますか?

ん〜〜〜〜〜。不特定多数の人間に対して何か良いお話をしても、言われた人はそれに対して何かリアクションします?しないでしょ? というか、仏教のスタイルは、求められたものに対しての答えは出しますが、自分から主張することはしないんです。仏教を開いたのはお釈迦様ですけど、お弟子さんや聴衆に対してたくさんの説法をしています。ところがお釈迦様の説法の最大の特徴として、たくさんの聴衆に対して「皆聞いてくれよ〜」みたいなのはないんです。相談を持ちかけてきた人の性格やその人の置かれている状況、時期、場所などをトータルで考慮して、その場その場の説法をするんです。 それと相談や悩みといったものには一つの正解があるわけじゃないよね。結局体験などを通して自分で悟るしかないんです。真理や本質というものは言葉では表せないんです。そこでお釈迦様は、相談内容に対して直接的な答えを出すのではなく、相談相手が本質を悟れるような行動を取るように誘導するような説法をしたんです。



友人や同僚または恋人から答えのない悩みを打ち明けられたアナタ!参考にされてはどうでしょう?・・・てか僕はこの作戦を早速活用しました。藤本さんありがとう!!!

(西京.comサポートチーム宮川)

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