what's slowlife?

スピードや効率ばかりを重視するあわただしい生活を
見直そうという、スローライフが今、注目されている。
これは10年ほど前からヨーロッパを中心に広がった、
今までマイナスと思われがちだったスローであることに
価値を見いだし、人生をゆったりと楽しみ、
生活の質を高めようというものである。
まだまだファーストが主流の世の中であるが、そんな
時代だからこそスローが注目されているのだと考えられる。
最近よく耳にするスローという言葉だが我々は研究の中で、
一般的に使われているスローライフという言葉と、
私達が研究を行ってきた結果得た、スローライフの
間には違いがあることに着目した。

まず、一般的に言われるスローライフについて述べる。
世間一般に使われているスローライフの意味、又は
イメージは、田舎や自然が多い所でのんびり過ごす、
あるいは暮らすことや、食事も和食中心でゆっくりと
会話をしながら、和風の部屋で食べることなどが挙げられる。
一般にスローライフの7要素と呼ばれるものがある。

1 スローペース:歩行文化

2 スローフード:伝統的食生活、安全、健康な食生活

3 スローハウス・ウェア:長持ちする住宅、家具、和服

4 スローインダストリー:農林漁業、園芸、市民農園
(クラインガーデン)、有機農法、生産消費地づくり、
地産地消、四季感のある生活、スローエコノミー

5 スローエデュケーション:地域を学ぶ生涯学習、
子供に声をかけるゆとり、総合的学習、生涯学習まちづくり

6 スローエイジング:ヘルシーダイイング(健康長寿)、
ウエルエイジング──化粧の文化、美しく老いる

7 スローマイウエイ:趣味道楽・芸術文化、手間ひま
かける価値の追求、道を究めること、個の確立

8 スローライフ:1〜7の生活哲学、暮らし方・古来の
技術文化、循環型社会と生涯学習社会の実現、職人芸、
スローサイクルスローライフは本物志向・省資源や時間の
蓄積、手間ひまかけること、念を入れること、求道の心、
男女共同参画の基盤、いいまちづくりの設計、

確かにここまであげた事柄はスローに関わる要素であると
考えられる。しかし、こういう事をしていなければ、
また前に挙げた世間一般に思われているスローライフの
イメージと同じ行動をしていなければスローライフと
言わないかと言えば決してそうではないと考えられる。
昨今では、スローライフという言葉がブランド化し、
言葉だけが先走りしている状態であると我々は分析した。

次に、私達がスローライフプロジェクトの研究として得た
スローライフについて述べたいと思う。まずキーワードを
幾つか挙げたいと思う。心のゆとり、こだわり、手間を
かける事、人とのつながりを大事にする事、一人一人
違うもの、クリエイティブな生活、健康、持続可能、
環境負荷が少ない、結果としてゆっくり流れる時間等が
キーワードである。2度に渡るスローライフに関する
イベント、また京都のこだわりの産物販売のお店への
ヒアリングの経験して、スロービジネスを行っている
方々から得たものはこのキーワードで共通している。
そしてこれらスロービジネスを行っていると周りから
言われている方々は自分達がスローな生活をしている、
意識してスローライフを送ろうなどという事は決して
考えていないのである。こだわりを持って商品を作る、
健康や環境の事を考えて商品を作る、大量生産で能率や
利益を考えるのではなく本当に自分の店の商品の良さを
わかってくれる人を選び、人とのつながりを大事にする、
その結果、自然に時間はスローに流れると考える。
一人一人、やっている事は違っても、こだわりある生活を
した結果、自然にスローライフになるというのが私達の
スローライフの考え方である。